Love Side 
「総務の串枝さんですよね?」

呼び出されたカフェにやって来たのは、結城郁人だった。

ああ、もうっ春日、どうしてあんなに否定したのに、

分かってくれないの?

「あの、どうして結城さんが?」

「春日がね、君と会って話を聞いてやって欲しいって言うから。」

にっこりほほ笑む彼は、

春日と同じ年と思えないほど、大人でスマ-トな物腰だった。

容姿も整っていて、メンズのモデルのような艶がにじみ出ている。

イケメンと一括りにしては申し訳ないようないい男だ。

余り近くで会ったことがなかったから気づかなかったけど

こんな社員が会社にいたんだ。

ぼうっと見つめるあたしに、

「串枝さん?」

と呼びかけられ我に帰った。

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