Love Side 
「でも、あたしの気持ちだって分かってほしいの?

 
 どうしたって、時々見せるあなたの表情の理由を知りたくなるのよ。


 あたしは、あなたを愛しちゃったんだから。


 そうさせたのはあなたでしょ?


 聞いたわ。あなたと結城さんと婚約者の関係。


 あたしが知りたいのはそこだったから。


 でも、あなたは踏み込まれたくなかったのよね。


 というか、彼らを離れて違う生き方をしたかったんでしょ?


 それをあたしに求めてた。」


春日はあたしを見つめていじっと聞いていた。

そして、ぽつぽつと言葉を零し始める。

別れる話に繋がっていく言葉を。


「好きになったと思ってた。愛し始めたと思ってた。

 萌香がかわいかった。

 駄目なとこも、意地っ張りなとこも、

 本気だった

 傍にいると幸せな気持ちになった。

 そう思ってたんだ。」



< 77 / 125 >

この作品をシェア

pagetop