Love Side 
会議が終了してぞろぞろと役員が出ていく中、


片付けのため待機していると。


「串枝さん。」


春日が声を掛けてきた。


「ハイ、なんでしょうか?」


「ちょっと。」


と言って会議室に呼ばれると。


もう、誰もいなかった。


春日は声を潜めて、


「話したいことがあるから、今夜会える?」


あたしは黙って頷いた。


手渡された紙には「ロゼ 7時」


あたしと春日が付き合うと決めたあの店だった。

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