Love Side 
息を切らせて、ロゼの2階に駆け上がると。春日はカウンタ-に座っていた。

「春日、良かった、遅れてごめんなさい。」

「走ってきたの?制服のまま?凄い汗。

 フッ萌香らしくないね?」

「春日、携帯も出ないし、もういないかと思った。」

春日はちょっと、ため息をついてから。


「反則だよ。今ごろそんないじらしい姿見せるなよ。」

「え?」

「俺、賭けてみたんだ、

 もし7時までに君が来たらもう一度本気になってみようかって。

 でも、来なかった。」


「あの、ごめんなさい。今日の会議記録を処理しなくちゃならなくて、」

「うん。責めてない。ただ、賭けだっただけ。俺が賭けに負けたの。」


「そんなのズルイ。私の気持ちは?

 此処まで制服のまま走ってきたあたしの気持ちは?

 そこには含めてもらえないの?」




「うん、きっとこれは運命なんだと思う。

 さようなら萌香。幸せにできなくてごめん。

 好きだったよ。」



かろうじて繋がっていた。蜘蛛の糸がプッツと切れた気がした。




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