Love Side　
春日とは、何度も話す機会はあったけど、

全くあたしの事には関心がない様子だった。

初めから何もなかったんじゃなかったと感じる位。

ついこの間まで、身体を重ねていたはずなのに、

あたしだけがいつまでも引きずっている

この思いは風化して行くんだろうか。



「串枝さん、部長転勤になるらしいの、大阪社長に栄転なんだって。」

「ああ、そうなんですか、じゃあ部長は誰が、」

「それが、びっくりよ。綾波春日よ。」

「綾波君？」

「異例の出世よね？この間室長になったと思っていたら、今度は部長よ！

　まだ入社2年目なのに。」

「もう、会社中この話題で持ちきりよ。」


付き合ったころ、新入社員で学生っぽかった春日。

あたしを先輩と呼んでいた春日。

いつの間に追い越して行ったんだろ。

部長なんて、、、


驚きと置いていかれてしまったような切なさでいっぱいになった。

もう、あの頃の春日はいないんだ。


「それと聞いた？結城専務副社長の娘と婚約したって。」


「え、？だってもうラボの佐伯さんとと婚約してるじゃない？」


「それが、その子妊娠してるらしくて、、、ショックよね～

　結城専務ってそういうことしない人だと思ってたのに～。」


あの子がフリ－になるの？あたしはいてもたってもいられなくなった。

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