とある堕天使のモノガタリ'
~INTROITUS~
【プロローグ】
◇
気が付けば彼は薄暗い闇の中に居た。
目の前にあるのは見上げる程大きな“扉”。
繰り返し訪れるソレは、期待から絶望へと変わる。
覚醒するたびに「またか」と落胆し彼をどん底まで突き落とす…
その冷たく大きな扉は“黄泉の門”と呼ばれ、そこを護るのが彼の役目。
何度も地上界での輪廻転生をしても、覚醒すると気付けばここにいるのだ。
それが堕天使たるが故の宿命というものなのだろうと彼は漠然と思う。
主である神の命を受けている為、そんな呪縛から脱け出すなんて到底出来るはずもない。
だが、彼は時々考えるのだ。
…“黄泉の門ではなく、地上界で一生を終えていたら…”と。
この輪廻という檻から出て歩き回る自由が欲しかった。
─ウリエル…。
突如聞こえた声にハッと我に返ると、深々と平伏す。
─つまらなそうだな…?
いいえ…と言い掛けて、彼は言葉を選ぶとゆっくり口を開いた。。
気が付けば彼は薄暗い闇の中に居た。
目の前にあるのは見上げる程大きな“扉”。
繰り返し訪れるソレは、期待から絶望へと変わる。
覚醒するたびに「またか」と落胆し彼をどん底まで突き落とす…
その冷たく大きな扉は“黄泉の門”と呼ばれ、そこを護るのが彼の役目。
何度も地上界での輪廻転生をしても、覚醒すると気付けばここにいるのだ。
それが堕天使たるが故の宿命というものなのだろうと彼は漠然と思う。
主である神の命を受けている為、そんな呪縛から脱け出すなんて到底出来るはずもない。
だが、彼は時々考えるのだ。
…“黄泉の門ではなく、地上界で一生を終えていたら…”と。
この輪廻という檻から出て歩き回る自由が欲しかった。
─ウリエル…。
突如聞こえた声にハッと我に返ると、深々と平伏す。
─つまらなそうだな…?
いいえ…と言い掛けて、彼は言葉を選ぶとゆっくり口を開いた。。