とある堕天使のモノガタリ'
~INTROITUS~
「主よ…私には他の道を歩む事は許されないのでしょうか…?」
そう言う堕天使を神は笑う。
─可笑しな事を言う。ここを護るのがお前の仕事であろう?
「…はい…。ずっと何度も転生を繰り返してますので解ってはいるのですが…」
神は“ふぅむ…”と低く唸る。
「…時々考えるのです…覚醒せずに地上界で人として一生を終えたら…私はどんな人生を歩むのかと…。」
─終わりの無い役目だから仕方あるまい。
彼は力なく「はい…。」と頭を垂れた。
─…だが、“一生”でいいのであれば…お前に休暇を与えてもいい。
…それは神の気まぐれだった。
─そうして彼、堕天使ウリエルは…
転生した─