とある堕天使のモノガタリ' ~INTROITUS~


教壇に立つ担任は半眼で彼を見ながら溜め息を吐いた。




「黒崎右京…高3になってもう3ヶ月経つが…遅刻しない日の方が少ないのは気のせいか?」




「いや、朝稽古が長引いちゃって…」




そう毎度同じ言い訳をしながら、切れ長の細目を更に細くしてニッコリ笑って誤魔化す。



「可愛く笑っても夏休みの補習は決定だぞ?」




そう担任も笑顔で冷たく言い放った。




…俺ぜってー担任に目付けられてるな…




長身の銀髪に狐顔、しかもグリーンアイで目つきは悪いと来たら、どこからどう見てもガラの悪いチンピラにしか見えない。




「ウリ坊、意外に真面目なのにな…見てて切ねー」




そう言ってわざとらしく泣きマネをする親友の頭を小突いて自分の席に座った。




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