とある堕天使のモノガタリ' ~INTROITUS~



右京が毎日全力で走ってる姿は物凄く目立つらしい。



『猪突猛進の四字熟語が具現化したら黒崎右京』




そう友人達が茶化したのをきっかけに、“ウリ坊”なんてあだ名が付いたのはいつだったか…




『なんでイノシシじゃなくてウリ坊なんだよ』



『だってお前の笑顔、めっちゃ可愛いじゃん!』




右京の問いかけに当然のように友人達は答え爆笑する。



男に“可愛い”と言われても別に嬉しくもない。



彼らが賞賛するこの容姿のおかげで女性に告白されることもしばしば・・・。



まぁ、はっきり言ってしまうとそれすら憂鬱になるだけなのだが…。



だが、親友である虎太郎はそんな右京の内心なんてお構いなしらしい。



その証拠に、放課後ダラダラと帰宅準備をしていると彼がニヤニヤしながらやって来た。



「ウリ坊!!今日ナンパしに行かね!?」




「またかよ!つかお前俺をダシに使う気だろ…」



彼は十分かっこいいと右京は思う…“見た目だけは”はだが・・・。



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