葵先輩は冷たい。
悩ましの乙女
*SIDE: 莉子
あたしは1人虚しく家に帰ると、真っ直ぐ自分の部屋へと向かった。
元々家具が少ないからか、殺伐としたその風景はより孤独を感じさせる。
ーーもう慣れたはずなのに。
鞄を床に放り投げ、思うがままにベッドにダイブする。もう何も考えたくなかった。
これ以上…
惨めになりたくなかった。
『はあ……』
盛大に吐いた溜め息。
それさえも、独りぼっちのこの空間に消えてゆき。ただ切なさだけを残していった。