葵先輩は冷たい。
泣きそうになるのを堪えながら、
あたしはへらりと笑った。
面倒な女だと思われたくない。
葵先輩に…捨てられたくない。
嫌いでもいいです。
彼女として傍に置いてくれれば。
それくらい、大好きだから。
葵先輩はきっと覚えていないけれど、葵先輩はあたしの恩人でもある。
だから…
たとえどんなに冷たくされても、あたしが葵先輩を嫌いになることはない。
嫌いになりたくても、
なれないんだよ…… 先輩。
いっそ、嫌いにでもなれたらどんなに楽なんでしょう。
そうしたら… こんなことで苦しまずに済んだのに。