アタシが守ってあげるからね。
それからアタシは口を開く事なく、授業に身を入れた。

「ここのXをだな〜」

わかってる事ばかり言うな。

アタシにとって授業というのはわかることばかり説明する、しょうもない事だった。


キーンコーンカーンコーン♪

授業の終わりを知らせる鐘が鳴る。

アタシは揺流香のトコロへ向かった。

「ちょっと、来て?」

アタシが連れて行った場所は体育倉庫。

悪い思い出ばかり。

前にあった事がコマ送りになって蘇ってくる。

「ヤメテ…ヤメテ…」

涙が一筋、二筋と流れ落ちてくる。

「ど…ぅしたの?」

揺流香がアタシの顔を覗いた。

「ん…ん。なんでもないの。」

アタシは涙を拭いた。

コホンッ
わざとらしい咳払いをしてアタシはやっとの事で一番揺流香に伝えたかったことを伝えた。
「あのさ…由宇夜に彼女いるの知ってる?」

「知ってるよぉ。由宇夜クンモテるし…。アタシも前由宇夜の事何気狙ってたしねぇ。
望羽、好きなの?」
< 14 / 18 >

この作品をシェア

pagetop