蒼穹の誘惑
「社長、我ままが許されるのは小学生までです。いえ、小学生の方がまだ聞き分けがいいかもしれませんね?」

高宮は業と大きくため息をつき、プラダのスーツを取り出すと、そのジャケットをみずきに着せる。

黒とはいえ、プラダのスーツは他のブランドスーツよりも黒が持つ美しさをぐっと引き出してくれるデザインになっている。みずきの好みらしい、身体のラインをきれいに引き出してくれる。

「どうしますか?スカートも履かせますか?」

高宮の腕ががみずきを抱きかかえるように腰に廻る。背骨をつぅっと撫で、ファスナーまで指を這わせる。

「……ん……」

ファスナーを下ろすと、ふわっとスカートが足下に落ちる。ストッキングは先程の情事で脱がされたままだ。肌に直接高宮の指が触れ、太腿から腰にかけて何度もその指が往復する。

それだけでみずきの口からは甘い吐息が漏れる。身体にはまだ高宮が触れた余韻が残っている。下腹部からジュクっとその余韻が引き出されるようだ。

「社長?」

熱い吐息とともに耳朶(じだ)で囁かれれば、期待してしまう。

「ん……な、に……?」




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