蒼穹の誘惑
(2)
ことは3日前まで遡る。
あの日-----
高宮から酷く傷つけられた後、流石のみずきも何食わぬ顔で高宮と顔をつき合せて仕事をすることもできず、体調不良を理由に早退した。
そのまま次の日も休んでしまったが、高宮からは何の音沙汰もなかった。
最早自分は、社長としてさえも彼から必要とされていない、そんな風に思え、また胸が締め付けられた。
だが、みずきもただ悲しみに打ちひしがれていたわけではなかった。
高宮が叔父の栄次郎と繋がっていると分かった今、お気に入りのカッシーナのソファを涙で濡らしている暇はない。
会社を休んだその日、みずきは叔父の家を自ら訪ねた。
会社で話をしても、高宮の監視もあり、のらりくらり交わされるだけだ。
敢えて叔母の幸子がいる時間を見計らい、彼女の好きな銀座千疋屋のマンゴープリンを手に、堂々と乗り込んだのである。
ことは3日前まで遡る。
あの日-----
高宮から酷く傷つけられた後、流石のみずきも何食わぬ顔で高宮と顔をつき合せて仕事をすることもできず、体調不良を理由に早退した。
そのまま次の日も休んでしまったが、高宮からは何の音沙汰もなかった。
最早自分は、社長としてさえも彼から必要とされていない、そんな風に思え、また胸が締め付けられた。
だが、みずきもただ悲しみに打ちひしがれていたわけではなかった。
高宮が叔父の栄次郎と繋がっていると分かった今、お気に入りのカッシーナのソファを涙で濡らしている暇はない。
会社を休んだその日、みずきは叔父の家を自ら訪ねた。
会社で話をしても、高宮の監視もあり、のらりくらり交わされるだけだ。
敢えて叔母の幸子がいる時間を見計らい、彼女の好きな銀座千疋屋のマンゴープリンを手に、堂々と乗り込んだのである。