蒼穹の誘惑
彼はドライバーから見えないようにみずきのスカートの裾をまくり上げ、太ももに指をはわす。

徐々に上と伸びる指を遮るように太ももにぐっと力を入れるが、そんな努力もむなしく侵入を許してしまう。

「まだ足りないようだ?」

その声に、下着越しに触れる指以上に背筋がゾクリとなる。支配されたいという女の本能を引き出すような響き。

「ん……」

下着の中に指が滑るように入ったかと思うと、花びらの周りの蜜が指を湿らす。

「ずっと、濡れていたんですか?」

攻めるような言葉と共に、蜜を絡めとり、中央の花芯を小刻みに攻められた。

「あぁ……っ」

「ふっ……厭らしい人だ。イキたいですか?」

いつものように激しくしてくれない。高宮はゆっくり、いたぶるように指淫を続ける。

「んぁ……っ」

みずきがこの拷問のような焦れったい時間に耐えていると、車はホテルのロータリーへと入っていく。

もう着いてしまう。腰を擦り寄せ懇願するみずきに、高宮は意味深に微笑み、指をすっとひいた。

「えっ……?」

「時間切れです。クス…今のあなたはとても魅力的ですよ?頬が紅潮してピンク色に色づき、とても色っぽい」

「なっ……」

「商談、成功させましょう」


(この男……っ)


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