幼き神は涙さえ演じて

 シスター、マリアンヌ・カダールは優しい女の子です。

 物語の構成上、死の使者であるクラウドに嫌われる対象となってしまいましたが、彼女の生き方は人として、また、神の使いとして立派だと思います。

 優しい彼女のことです。

 死を望んでしまったことは事実ですが、誰も世界を変えてくれない!と言っている訳ではないのです。

 彼女は最後の最後まで茶神の悪意に気づかず純粋な少年として接してくれた優しい、女神の様な人です。

 悪に立ち向かう術を持たぬか弱い人間でありながら、最後まで茶神の幸せを祈ったのです。

 彼女の死は、たんなる自殺ではなく、世界の死なのです。

 世界の心が死ぬ。それは、彼女が死んだときなのです。

 だって、彼女は、世界の優しさそのものなのですから…

 「意味がわかりません。あなたはバカ、なのですね」

 「クラウン、帰るぞ」

 「御意」

 …

 
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