幼き神は涙さえ演じて

 「…あの、本当に僕なんかを雇ってよかったんですか?」

 銃をしまい歩くネコ耳男の後ろに続き、右目に眼帯した青年は呟いた。

 「茶神(さがみ)様の決断に間違いはありませんよ」

 「え、と…サガミって…ごめんなさい。人が多くて中々名前が覚えられなくて」

 眉を寄せる青年に、ネコ耳は笑った。

 「あぁ、仕方ありませんよ。男性だけでも100を超えますからねぇ。私が“様”を付けて呼ぶのは主、茶神(サガミ)様だけです。私達を囲う主です」

 
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