幼き神は涙さえ演じて

 瞬間、ウサ耳金髪店員の顔が青ざめていく。

 「あ、の…それ…もしかして、今朝の」

 「破棄だ」

 「あの、それはいったい」

 「かわりを用意しろ」

 何が起きているのか理解できない青年にも、少年の横暴さだけは理解できた。

 
 うな垂れ、壁に額を押し付けブツブツ言う店員をあざ笑う少年。

 「内容は覚えた」

 「私はまだ見ていません」

 「あぁ」

 可愛そうに。と続く言葉を飲み込み、少年は笑った。

 
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