幼き神は涙さえ演じて

 「御国の来たらんことを、」

 「…ぴぎゃ」

 喉をかきむしり自害した女を足置きに、茶神は笑う。

 「御旨(みむね)の天に行わるる如く地にも行われんことを。」

 
 「っぎゃ」

 「ぅうぁぁああぁああああぁああああああぁあ!もう止めてくださいぃ!」

 短剣で心臓を突き刺した男の血がキースの足に届くと同時に、頭を抱えてキースは蹲った。

 
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