刹コイ


授業中の中庭は更に人気が無かった
大分向こうで高3がお昼を食べているだけ




一目散に走ってきたから胸が苦しい。
息が上がってしょうがない


皆からの視線が怖かった。どうしても

中学の頃が思い出されて





中学生になったばかりの頃私は大好きだったお姉ちゃんとケンカした
原因は私と遊園地に行く約束をしてた日にお姉ちゃんが彼氏とデートの約束を入れたから

お姉ちゃんにとって初めての彼氏で一回家に来たときにホントにラブラブだったのを覚えてる。彼氏の方もお姉ちゃんの事をすごく大切にしていた。
それを見て自分に入る隙間なんか無いと分かって余計に辛かった

でも結局お姉ちゃんは泣き叫ぶ私に根負けして私と一緒に遊園地に行くことにしてくれた。


その日無理して笑うお姉ちゃんを見て自分より彼氏の方が大事なんだと思った。
その事実が痛くてあたしはお姉ちゃんに八つ当たりした。
「お姉ちゃんなんか大っ嫌い!お姉ちゃんの彼氏も大っ嫌い!」

これがお姉ちゃんに言った最後の言葉だった


帰りに駅のホームで酔っぱらいに絡まれたお姉ちゃんは一緒に線路に突き落とされた




あたしを庇って。

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