哀、ひとつ









「 ...何も、ありませんよう 」







 瞼を落とすと

 ポツリと零れた言葉






 人生に光なんて求めない






 夜明けのような

 ぼんやりとした空に囲まれていればいい






 それだけで良かった



 ただ

 それだけで、幸せだった









 あの人に

 ――― 逢うまでは









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