魔王
一瞬、しんと静まり返る3-5。

ただし…一瞬、だけだが。

「ハハハハハ!ハハハッ、魔王っぽいス!いいねぇ、口調を時代がかった奴にすりゃあ完璧じゃないスか!」

ミスターKY、新城 玲二。

彼を皮切りとして、クラス中が良いか悪いかは別として調子を取り戻した。

「うわ、今一瞬ビビったわ!学校の先生に対して命の危険を感じたの初めてですよ!」

「ところでスライムとスライムベスは?」

「ど~でもいいだろ~、とりあえずメタルスライムがいいってこと以外は~」

「そうよ、彼の言うとおりだわ。メタルスライムのくだり以外」

「それより、足し算の筆算のやり方わかんないんですけど」

「小一からやり直せ馬鹿」

悠楽の喝入れも虚しく、3-5はまたいつものとおりになった。

クラス中を再度見渡して、彼は…

「もう何言っても無駄かも…」

と、結構本気で思ったのであった。

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