魔王
パソコンのディスプレイには今月の予定が映し出されている。
月は5月。そろそろ新しいクラスにも慣れ、たるみ始める時期だ。
だいたいたるみそうな奴、変わらなそうな奴、逆に良くなりそうな奴のメドはついている。
悠楽は自分の受け持つクラスについて考え始めた。
(今年のクラスはひねくれ者の宝庫だな。まず俺の容姿にビビる奴が殆どいない。…いいことだ)
心中で自虐的な笑みを浮かべつつ、悠楽は次の時間になるのを待った。
彼の教えている教科は数学だ。
そして次の時間は丁度自分のクラス、3-5だった。
このクラスは、ボケ体質の生徒が異常に多い。
誰かが突っ込まないと延々と暴走し続け、「1+1=?」という質問から「焼き肉に一番合う野菜は何か?」に変わり、最終的に「ブラウン管はどこら辺がブラウン?っていうか何だっけソレ、水道管のブランド?」という訳のわからない問にすり替わる。
一人や二人でさばききれる量ではないボケが飛び交うこのクラスで、悠楽は不思議な居心地の良さを感じていた。
そうしているうちに、授業の終了を知らせるチャイムが鳴り、悠楽は静かにパソコンを閉じた。
月は5月。そろそろ新しいクラスにも慣れ、たるみ始める時期だ。
だいたいたるみそうな奴、変わらなそうな奴、逆に良くなりそうな奴のメドはついている。
悠楽は自分の受け持つクラスについて考え始めた。
(今年のクラスはひねくれ者の宝庫だな。まず俺の容姿にビビる奴が殆どいない。…いいことだ)
心中で自虐的な笑みを浮かべつつ、悠楽は次の時間になるのを待った。
彼の教えている教科は数学だ。
そして次の時間は丁度自分のクラス、3-5だった。
このクラスは、ボケ体質の生徒が異常に多い。
誰かが突っ込まないと延々と暴走し続け、「1+1=?」という質問から「焼き肉に一番合う野菜は何か?」に変わり、最終的に「ブラウン管はどこら辺がブラウン?っていうか何だっけソレ、水道管のブランド?」という訳のわからない問にすり替わる。
一人や二人でさばききれる量ではないボケが飛び交うこのクラスで、悠楽は不思議な居心地の良さを感じていた。
そうしているうちに、授業の終了を知らせるチャイムが鳴り、悠楽は静かにパソコンを閉じた。