魔王
黒板に短い文章を書き終えると、悠楽は生徒に向かい指示を出した。
「黒板に書いたとーりだ。教科書の21ページの問題を解く!わかんなくてできねえ奴は俺を呼べ。超優しく教えてやる」
「嘘つくな魔王先生~。そんな甘い事言って飼い慣らして、卒業式の日にまとめて皆殺しにするつもりなんだろ~が~」
「言っとくがお前ら、俺は魔王じゃ無いから。人を全て外見で判断しちゃいけません!」
悠楽はそう言うと、椅子に腰掛けて生徒から呼ばれるのを待った。
顔の前で指を組み、暇なので静かに思考を巡らす。
(そういや、もうすぐ修学旅行か。教員になって初めての修学旅行がこのメンバーとは…。絶対誰か仕組んでるな)
そこまで考えたところで一人の女子生徒の手が挙がる。
悠楽は、スッと立ち上がってその生徒のところへ歩いていった。
「先生、ここなんですけど…」
彼女の指さす場所を見て…、悠楽は軽く眉をひそめた。
「…おい、工藤。今が何の時間だか考えた上で答えろ。…これは…なんだ?」
「え?何って…ただの丑の刻参りに使う人形ですが…何か?」
彼女が指さす場所はーー、布でできた作りかけの人形の頭だった。
「黒板に書いたとーりだ。教科書の21ページの問題を解く!わかんなくてできねえ奴は俺を呼べ。超優しく教えてやる」
「嘘つくな魔王先生~。そんな甘い事言って飼い慣らして、卒業式の日にまとめて皆殺しにするつもりなんだろ~が~」
「言っとくがお前ら、俺は魔王じゃ無いから。人を全て外見で判断しちゃいけません!」
悠楽はそう言うと、椅子に腰掛けて生徒から呼ばれるのを待った。
顔の前で指を組み、暇なので静かに思考を巡らす。
(そういや、もうすぐ修学旅行か。教員になって初めての修学旅行がこのメンバーとは…。絶対誰か仕組んでるな)
そこまで考えたところで一人の女子生徒の手が挙がる。
悠楽は、スッと立ち上がってその生徒のところへ歩いていった。
「先生、ここなんですけど…」
彼女の指さす場所を見て…、悠楽は軽く眉をひそめた。
「…おい、工藤。今が何の時間だか考えた上で答えろ。…これは…なんだ?」
「え?何って…ただの丑の刻参りに使う人形ですが…何か?」
彼女が指さす場所はーー、布でできた作りかけの人形の頭だった。