道化師と菫の花/GIADOOLⅣ
「生きているのかな?」
キラが心配そうな声を上げるが、確かめる手段は無い。
「さあな?」
ソレに対して、海人は、アッサリと答えることしか出来ない。
確かに、こんなご時勢。
いつ、何時死ぬかも分からない世界ではあるが、アイツが、そう簡単に死ぬとは考えにくい。
・・・・・・大方、新しい女でも見つけたか、そんなところだろう・・・。
「海人は心配じゃないの?」
そんなことを言われても・・・。
「大丈夫やろう?元々、放浪癖があったやつやし・・・。」
どちらかといえば、アイツが帰ってきたとき、どれだけの借金が出来上がっているのか・・・。
そっちの方が、考えるのが怖い。
「まったく・・・。」
キラが大きくため息をついた瞬間だった。