道化師と菫の花/GIADOOLⅣ
「!」
「!」
タイミングはほぼ同時。
お互いの右手には、小型拳銃が一丁。
銃口は・・・お互いの、頭・・・。
「何のマネだよ?」
先に口を開いたのはアルクのほう。
「・・・そっちこそ、どういうつもりや?」
海人も続く。
「・・・・服役したんだよ。俺が、五年前まで軍人だってことぐらい、オマエだって知っているだろう?」
知ってるよ。ソレぐらい・・・。
だけど、ソレだけで説明がつくものか?
「・・・賞金に目がくらんだか?」
自分の首に賞金がかかっていることは、海人自信も知っている。
本来、賞金とは、優秀な敵パイロットや、ギア。もしくは大将クラスにつけられるものだが、過去に自分がやったことを考えれば、無理も無い話しだろう。
「まぁ・・・そういうコトにしておくよ。」
言うと、アルクはためらいなく、銃を発砲する。
響く銃声。
反射神経だけで、避ける海人。
致命傷を間逃れたのは、運動神経のおかげか・・・それとも・・・・・・・