道化師と菫の花/GIADOOLⅣ
4、水練

「マリアが死んだんだ。」


 水練所有の軍艦の中。


 彼から聞いた言葉は、心のどこかで予想できた言葉であったので、その言葉を聞いたときのアルクの反応は実に淡白なものであった。


「そう・・・。」


 あれから15年。


 逆算するなら、水練もマリアも既に40歳近く・・・。


 こんなご時勢。


 海中世界と言う劣悪な環境。


 ・・・・・・・・・・仕方ないと思ってしまう俺は、冷たいのだろうか・・・。


「ワザワザ、そのために私たちを探していたの?」


 付いてきたティムの言葉。


 彼女も自分と同じ反応しか示さない。


 傭兵という過去は、死への感傷を鈍感にさせる。


 人はだれでも死ぬ・・・。


 当然の摂理。


 ソレぐらいで四の五の言えるだけ、幸せだと思え・・・か・・・。


「・・・あいつを、人工知能にしたいんだ・・・。」


 しかし、二人の言葉を無視して水練が言葉を続ける。


「じんこう・・・ちのう?」


 それに対して、ティムが不思議な表情を浮かべ・・・。


「冗談!」


 アルクが、驚愕の表情を浮かべた。


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