緋い罪

誘いを断られた女郎達の背中を笑いながら、高級太夫は艶やかな笑みを浮かばせた。

「あの男は、蛇の道を行く殿方」

キセルの煙が小さく細く上がり、太夫の紅の染まる唇を歪ませる。

「あの男の"業"の深さは、わっちらには解せはしないさ」

鈴を鳴らせるような笑い声は、輝く灯籠に吸い込まれてゆく。
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