片翼の天使
「お前金が欲しいか?」
「当たり前でしょ。じゃなきゃヤりもしないのにタクヤと会わないわよ」
「そうか」

一口喉に流し込むとタクヤは続ける。

「一晩100万に増額してやる。そうだな。頻度は月1でいい。」
「は?ちょ…何…」
「俺に飼われろ」

あぁ。
そういうこと。

「愛人契約?」
「まぁそんなところだ」

一晩100万なんて美味しい話を蹴る訳がない。
マジでタクヤって何の仕事してんの?

「いいわよ」
「但し条件がある」
「何よ」
「ひとつ。他の男の連絡先を全て消せ」

鳩が豆鉄砲くらうってこういうこと?
あたしは呆然とした。

「ふたつ。もう他の男と寝るな」
「な…!?」
「みっつ。お前は俺の言う事を全て聞け」

その瞬間。
あたしの頭の中で何かが切れる音がした。

「ふざけんな!!タクヤはあたしの彼氏じゃねぇだろ!?それに誰が食わせてくれるんだよ!!」
「月1会うだけで100万だ。まだ必要なのか」
「…!!」

確かに。
あんなボロアパートの家賃なんかたかが知れてる。
でも…!!
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