タロット☆マジック【完】
ちょっと期待してしまった自分が憎い……。
そんな俺をよそに、凜子は冬馬に笑顔を向ける。
「冬馬くんは、どうしたの?」
その質問に冬馬は、目を逸らしてボソッと呟くように言う。
「……別に。暇だから少しよってみただけや」
「えっ? 入ってくれるの!?」
凜子が嬉しそうに目を輝かせて言うから、少しムッとしてしまう。
……ヤキモチみっともねぇぞ俺。耐えろ。
「入ってくれる? ね? 入って!」
「あーもう、しつこいわ。それでええから、静かにしろや」
…………………………え。
「「ええええぇぇぇぇぇぇっ!?」」
俺と凜子の声が重なる。
そんな俺たちを冬馬はウザそうに見た。