タロット☆マジック【完】





蓮斗くんの言葉に私は首を傾げた。




そんな私に気が付いたのか、蓮斗くんは雪ちゃんを睨みながら言う。




「雪、ずっと俺に『る』で回すつもりなんだ……」




「あーあ。ばれたか……」




雪ちゃんは蓮斗くんを見て、楽しそうにクスクス笑う。




…………ドSだ。と、その瞬間みんなが思ったことだろう。




「今日は気分がいいから誰か占ってあげる」




そう言った雪ちゃんと目があった。




優しく微笑んで手招きをする。




「……凜子、占う?」




め、珍しい……自分から占うだなんて。




私はコクコクと縦に首を振った。




雪ちゃんの前に座って、タロットカードの動きをジッと見る。




みんなも雪ちゃんの占いが珍しくて、黙って見学。




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