タロット☆マジック【完】
……私も眠たくなってきたかも。
こんな静かな部活……今だけだろうな。
凜子は煩いから、こうはならないよね……。
リンゴを齧ると、シャリッといい音がした。
いつも部活で「ないしょね?」と言ってリンゴを食べてる姿がチラつく。
……重症かも。
もう一口、リンゴを齧ろうとした時――……
―― シャリッ
「~~~った、たまらない!! ちょー美味しい!」
その声に、私たちは目を見開いた。
蓮斗の近くに、いつの間にか凜子が居た。
…………いつから居たの。
その私の目を勘違いしたのか、凜子は困ったような表情になる。
「……あれ? このリンゴ、食べちゃダメだった……?」
うるうると瞳に涙を溜めて聞く凜子。