タロット☆マジック【完】
スラスラと書いては止まり、また書いて……。
しばらくするとノートの紙を一枚破いて、蓮斗くんに渡した。
「ハイ、できた」
蓮斗くんはそれをみて、嬉しそうに笑って言った。
「あぁ、ありが――……」
蓮斗くんの笑顔が固まる。
そして、一言。
「……これ、日本語じゃねぇ………しかも、英語でもねぇ」
蓮斗くんの言葉に、雪ちゃんは嬉しそうに笑った。
「うん。フランス語。私のお父さん、フランス人」
ハーフ!? と驚くことさえできず、私と蓮斗くんは茫然とする。
一方雪ちゃんはニッコリ笑って、
「そのお兄さんとやらに『人任せにするな馬鹿男』って言っておいて?」
そう言って去っていく雪ちゃんの背中を見て、容赦ないと思ったのは私だけじゃないハズ……
〝吊るされた男〟 正位置
『忍耐』