タロット☆マジック【完】
その子は、赤いリンゴとは対照的に、真っ白な肌をしていた。
白雪姫? みたいな……。
でも、少し冷たい雰囲気が、印象的。
「…………。」
その子は、無表情にリンゴを見る。
肩にかかるくらいの髪が、サラッと揺れる。
胸まである、三つ編みの私の髪は、サラッ……なんて、ならない。
「……あっ! すみませーんっ! そこのお嬢さん。お怪我はありやせんで、ございやすか!?」
パニックだった私は、意味がよく分からない言い方をしていた。
「…………。」
無言でリンゴを拾って、私にくれた。
その時、何かが落ちたんだ――……。
「あっ、何か落ちたよ。……あ、これってタロットカード?」
私が言い終えるか、終えないかの時、タロットカードが私の手から消える。
「さわん「何か、占ってよ!」
……あれ? なんか、言おうとした?