タロット☆マジック【完】
その子は、小さくため息を吐いて、
「いいよ。」
呟くように言ったその声は、想像よりもずっと優しい声。
「わぁいっ! ふふっ、楽しみだなぁ……。」
そう言ってその子を見ると、暑苦しそうに目を逸らした。
「……ここ、座って。」
「うっ、うん!」
私は、椅子に座って待つ。
「名前は?」
そう言いながら、タロットカードを混ぜる。
「私? 私は、森山凜子。あだ名は『リン』『リンゴ』だよ。あっ、あなたの名前は?」
「……白井雪。1年。」
そう言って、タロットを机に置き始めた。並び替えたり……
1年かぁ。私と同じ、中学1年生とは思えない……。
「性別。」
「え? えっとねー……って、失礼なッ! 見たまんまじゃんっ!」
「……同姓と認めたくなかった。」
しくしくしく……。何気に、酷いよぅ……。