タロット☆マジック【完】





あの日から数日たった日。




また雨で、良い事なんて1つも起きやしない。




そんなの、当たり前の事だけどな……。




教室を通り過ぎた時、俺の耳に喋り声が聞こえた。




……誰だ?




何気なく、立ち止った。




「今日、雨だねぇ。」




聞き覚えのある声……。




「……じめじめ。」




淡々と言う、冷たさを感じる声。




もしかして、あいつら――……?




何故か、ここから動こうとは思わなかった。




「雨、凜子好きだよね。」




「ん? うん。」




その言葉に、顔をしかめる。




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