タロット☆マジック【完】
「ねっ? キレイでしょ?」
そう笑った女の笑顔に、目が離せなかった。
一瞬にして、俺の何かを持っていかれた。
アイツと笑ってみたいなんて……俺は変態か?
何故か、周りがセピア色で。
アイツだけ、輝いて見える。
……あれ、病気か? 俺。
「……あ、えーっと……誰?」
「……変態くん。」
俺は、後者の声はあえて聞こえなかったふりをして、その教室の前から去った。
自分に、笑えてきて思わず笑みをこぼした。
……傍から見れば変態だよな、本当に。
俺は、この時に凜子に――……。