タロット☆マジック【完】
凜子を睨みつける私に、魁斗が言った。
「一目惚れだ。」
魁斗が、私の頬に手を置く。
「お前の目は、美しい……まるで、宝石のようだ。」
と、鳥肌――!!
「っは……離れろ、変態――……!!!」
私は、魁斗を突き飛ばし、追い出した。
凜子が、水を私に渡してきた。
「はい、コレ。喉乾いたでしょ?」
「……うん。」
私は、素直にそのペットボトルを受け取った。
私たちは座って、水を飲んだ。
しばらくして、落ち着いた私はボソッと呟くように言う。
「……あの、魁斗とか言う、蓮斗のお兄ちゃん……歯の浮くようなセリフを、ぬけぬけと。」
「ははっ、雪ちゃん照れて――……どあっ!」
私の投げたペットボトルを、まんまと避ける凜子。