タロット☆マジック【完】
「あ、今から部室に行っていいか?」
遠慮も無しに部室に入って来る。
コイツ、一体何者……?
「……お前。そーいや、初めましてだな!」
急に、俺の方にクルッと向きを変える。
俺は、イキナリの事で目を丸くした。
「水谷ライチって言うんだ。よろしくな! ついでに、一応占い部。」
そう言って、ライチが俺に手を差し出す。
無視するわけにもいかず、俺は手を掴んだ。
その瞬間、「こんなに振る必要あるか?」ってくらい、上下にブンブンと手を振った。
「お前は? 名前。」
「……西条蓮斗。占い部。」
凜子の心配そうな視線を、ビシバシ受けながら、
俺はぎこちなく自己紹介をした。
その時、ライチが思い出したようにカバンから何かを取り出した。