タロット☆マジック【完】
蓮斗が、まじまじと田中先輩を見た。
「でも……確かに、ちいせぇ。」
その言葉に、田中先輩は蓮斗を見て、目を丸くした。
「さ、西条くん! 君は……!!」
涙を浮かべる田中先輩。
今に言う、子犬キャラとかいう奴だろう……。
「田中先輩……そんな、気にしなくても、いいと思いますよ……多分。」
凜子のその言葉に、田中先輩は、さらに目に涙を浮かべた。
「うぅっ……そう言ってくれるのは、森山さんだけだよぉ……。」
凜子にだけだなんて……気の毒な奴。
私が、憐れむような目で田中先輩を見ていると……
「今日は、科学部に頼みが……って、他に部員は?」
ライチが、少しイライラした様子で辺りを見回す。
確かに、この田中先輩以外は誰も居ない……。
おかしいと思ってたけど……。