タロット☆マジック【完】
相当、怒っているみたい……。
「え? じょせふぃーぬ?」
コロッとした犬のような笑顔で、ライチに聞く。
そんな田中先輩に、ライチは声を低くして言った。
「とぼけんなよ? 証拠はあるんだ!」
「ひぃっ!」
恐がってるんだけど、コイツ(田中先輩)……。
なんか、つまんない……。
幼馴染で年上なら、強気で出ればいいのに。
なんて、弱気なチビすけ(田中先輩)だ。
目に涙浮かべてるし。
普通さぁ……立場、逆じゃないの?
あーあ。もう、震えちゃってるよ。
目を細めて、田中先輩とライチの面白い、言い合い……いや。一方的だから、違うか。
なんて、心の中で突っ込んでいると……。
「ストーーップ!」