タロット☆マジック【完】
胸ぐらをつかんで、田中先輩に詰め寄るライチを、私は止めもせずに見た。
……まあ、幼馴染の喧嘩に入るのは、面倒だからね。
凜子が、胸ぐらをつかむライチを見て、目を丸くした。
蓮斗は隣で、すこし慌てたような素振りを見せる。
「「ストーーーップッ!!」」
凜子と蓮斗が、声をそろえて言った。
……何なんだろう、この2人。
「…………チッ」
ライチが、舌打ちをした。
「ひぃっ!」
田中先輩が、ガタガタ震える。
舌打ちするほどイライラするのは、分からなくもない。
だから、私は見てるだけ。
「あのさぁ、ライチ。さっきから、思ってたんだけど。」
さっき、言えばいいじゃん。と、心の中で突っ込む。
「……その、ジョセフィーヌ……だっけ? に、何かされたのか?」