タロット☆マジック【完】
確かに、無愛想は雪ちゃんに言えたもんじゃないけど……。
「名前は?」
蓮斗くんがそう聞くと、雪ちゃんがその質問に答えた。
「渡辺冬馬。」
わおっ!
ここに、歩く辞書が!
なんて言ったら、怒られそうだからやめとこ……。
「何組だっけ?」
私がそう聞くと、またもや雪ちゃんが答えた。
「……1年C組。」
わ、やっぱり何でも知ってるんだ!
私は尊敬の眼差しを雪ちゃんに向ける。
雪ちゃんは、そんな私を無視して、部室から出て行ってしまった……。
「……えっ!? 待ってよ、雪ちゃぁんっ!」
私とライチちゃんと蓮斗くんの3人は、慌てて雪ちゃんの後を追った――……。