タロット☆マジック【完】
雪ちゃんは、ため息を吐いた。
十中八九、私のせいだと思う。
「……まぁ、来てもいいよ。」
冬馬くんに向かってそう言うと、怪しく微笑む雪ちゃん。
あからさまに嫌そうな顔をする冬馬くん。
「り、凜子がどうしてもって言うなら……しょーがねぇな……仲良くしようぜ!」
蓮斗くん必殺、フレッシュスマイル!
蓮斗くんが好きな女の子なら、瞬殺だろう……。
「私は、来るのに賛成だな。三角関係が期待できるし!」
そう言って、ニッと笑うのはライチちゃん。
冬馬くんは眉を寄せて、可笑しなものを見るかのように、私たちの事を見た。
「俺に……来てほしいんか?」
そう聞く冬馬くんに、私は笑顔を向けて元気に答えた。
「もっちろん! いつでも来てよ!」
冬馬くんは、そんな私を見て目を丸くした。
「……来るとは言うてへんやろ、ボケ。」
そう言って冬馬くんは、部室から去って行った……。
雪ちゃんは、そんな冬馬くんを見てボソッと呟いた。
「説得力無いから。……顔、真っ赤。」
〝愚者〟 正位置
『型に はまらない』