月とバイオリン
ゴールデンサマー
太陽の送り出す光が、日に日に強い直線の力へと変化している。目指す夏へ光線の変化は、目に映るほどだ。
昨日よりは昨日よりはと着実に歩み進め、もう幾日も過ぎないうちに、夏神は到着なさるのだろう。
「フレディが戻ったら驚くわね。たった一週間で、光が全然違うもの」
「いつかの夏はクリスがイタリアで遊んでいる間にやって来たのよ。あの人が自分の年を若く言うのを知っている?」
「いいえ」
「イギリス年齢ですって。変なことを思いつくわ」
「それなら、私はまだ一歳にもならないわ」
「私もずいぶんと若くなるぞ」
「数えないで、ピーター」