月とバイオリン
四日めの朝である。
まるで何年もその暮らしを続けていたように、三人は朝食の席に着いていた。
眩しすぎる光を遮るために、東側の窓のカーテンは半ばまでしか開けられない食堂。テーブルにいけられた黄色い水仙が、真っ白なポットと引き立てあっている。
六月には黄水仙、女王陛下の御花だ。
メアリーアンは暖炉の上の飾り時計に目を向けると、残っていたコーヒーを飲んで、立ち上がった。
「さて。それでは行って参ります」
各国における自分の年齢を数えていたシェリーは、指を折るのを止め、
「メアリー、お仕事忙しそうね。何かあったの? 特別なこと」
「新病院の落成式典では、シェリーは喜ばないでしょう? おもしろい話はピーターに聞いて。けれど、学校には遅れないようにね」
ピーターは笑い、長い人生の中のフランス年齢を探るのを中断する。
扉へと向かいながらメアリーアンは、早口で続けた。
まるで何年もその暮らしを続けていたように、三人は朝食の席に着いていた。
眩しすぎる光を遮るために、東側の窓のカーテンは半ばまでしか開けられない食堂。テーブルにいけられた黄色い水仙が、真っ白なポットと引き立てあっている。
六月には黄水仙、女王陛下の御花だ。
メアリーアンは暖炉の上の飾り時計に目を向けると、残っていたコーヒーを飲んで、立ち上がった。
「さて。それでは行って参ります」
各国における自分の年齢を数えていたシェリーは、指を折るのを止め、
「メアリー、お仕事忙しそうね。何かあったの? 特別なこと」
「新病院の落成式典では、シェリーは喜ばないでしょう? おもしろい話はピーターに聞いて。けれど、学校には遅れないようにね」
ピーターは笑い、長い人生の中のフランス年齢を探るのを中断する。
扉へと向かいながらメアリーアンは、早口で続けた。