月とバイオリン
「クリスやジェラルドはフレディの友達だし、メアリーアンは恋人なんだから、立場上フレディ的に私を見ているのは仕方ないんだけど、どうしてあなたまで私をそう扱うの? 味方は少ないんだから、あなたは私の方にいてくれなきゃ」

「フレディと約束したの。私も気をつけるって」

「何人に手配したら気がすむのかしら」

「一人じゃシェリーを押さえられないからだわ」

「むむう」


 どうしても聞かないようなら、一人で行かせなさい。


あきらめて手を放してしまえと、シェリーには勝手に暴れさせればいいと、そう言ったフレディは、私がそんなことはできないと即座にアドバイスを否定したことを、その場で確実に読んでいた。

だからわざわざ付け足したのだ。



『君だけでも無事でいれば、僕は救われるよ』
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