月とバイオリン
 自分の中にと溶けてきたたくさんの感情は、混ざり合い、今の自分になっている。


役に立てるだろうか? この自分は。
求めているものを、理解してあげられる?
言葉は通じるだろうか?

隠している言葉を、見つけ出せるのか?


 今まで、人と向かい合う時に、ためらいを覚えたことなどなかった。

そのような隙もなく、常にぶつかる方が先であったからだ。

 いつものように、迷うより前にぶつかってしまっていれば良かった。

そういうカタチで、彼と接することができていたなら、どんな未来にたどりついていたのだろう。

それを今覗くことができたなら。


正しい解答をねだる気持ちだ。


しかし、誰に?


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