先生、あなたのことが好きでした。



「ごめんっ、しばらく授業持てなくなった」

  突然の先生からの報告。

「えっ、うそぉ~」

「俺、来年大学院行くんだけど、でも就活しとこうかと思って。経験しとこうかなって」

  そんな先生の言葉を聞いて、ますます惚れちゃったんだから。

  経験積むために就活とか、すごくいいじゃん。

「ってことで、しばらく違う先生だから」

  しばらくっていつ?

  そう聞いたけど、先生は分からないと言った。

  
  そして違う先生の授業。

  先生が珍しく生徒ファイルにメモを残してた、って違う先生から聞いて、すごく嬉しかった。

  あたしがやらなきゃいけないところ、ちゃんとメモにしてくれたんだよね。

  あたし、先生を待つよ。

  
  でも、もう先生の授業を受けることはなかった。


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