先生、あなたのことが好きでした。
その新人の先生は面白い人だった。
先生とは思えないこと言うし、重苦しい感じがない人。
それでもやっぱり、あたしが受けたいのは菅野先生の授業だった。
「今日の授業、どうだった?」
教室長が聞いてくる。
「楽しかった!」
それは本心だった。
話すのは楽しいし、授業も重くない。
「あの先生、いろいろ探ったらもっとおもしろいよ」
教室長が笑って言った。
やっぱり……。
そんなこと言って、菅野先生じゃなくてもいいようにしてるんでしょ?
あたしはそのことに腹をたてながらも、何も出来ずにいた。